F-Power倒産で電気料金はどのように変わっていくのでしょうか?。倒産の連絡が来てから3か月ほど、無事、別の会社へ継承されたのですが、問題はないのか確認してみました。


(次記事: 新電力供給停止!」)


 前回、2018年9月に”新電力で、自分にとってお得な会社選びをしてみる。東北地方で冬場の使用量が多く、400kW以上ならどうするのがお得なのか”にて比較し、決定したはなカメくん電気 でしたが、昨年末、【《小売電気事業者》である「株式会社F-Power」が破綻し倒産】という連絡が入りました。

 その後、「株式会社FPS」に事業継承されるという連絡がありました。実際の料金がどうなったのか?、コロナやウクライナ(ロシア)情勢による変化も含めて検討してみます。

 事業譲渡にともなう契約承継のお知らせ(更生会社 株式会社F-Power


 《販売の媒介または代理を行う事業者》は「株式会社亀井組」で変更がなく、ホームページでもこれまでと同様に申し込みを受け付けていました。

 この出来事があるまでは、《小売電気事業者》と《販売の媒介または代理を行う事業者》の2つがあることを意識していませんでした。保険会社と代理店の違いと同様かと思っていましたが、代理店の事業として、電力料金をアレンジして設定できるようなので、卸会社と小売店の関係に似ているようです(ただし、製造会社である各地方電力は、日本卸電力取引所(通称JEPX)という市場に商品(電力)を出して売っている所がまたややこしい点)。

 ライセンスを持たない電力小売参入、取り次ぎ・代理店・媒介制度


 上記のA社が、F-POWER(現FPS)。B社がはなカメくん【亀井組】というわけです。実際に小売供給されていたのはF-POWERからだったので、契約も締結しており、倒産・事業継承の連絡が入ったわけです(現在の、はなカメくんの申込サイトでも、途中でFPSサイトに変わりますとあります)。しかし、料金を決定しているのははなカメくん【亀井組】だったので、料金は変わらずというということだったようです。


 電気料金が、倒産と継承の過程で変わるのではないかと心配していたのですが、幸いなことに料金変更のお知らせはありませんでした。



 かつてトップにも立った新電力F-Power倒産の衝撃 要因分析からみるこれからの新電力に必要なものとは
 問題だったのは、この記事に書いてあるように、2020年末~2021年初の不安定な電力相場であったようです。これはコロナの影響とも言えそうです。2022年になっても前回ほどではないですが、今度は持続的に上昇傾向があるようですから、一般家庭に影響が出るような電力小売りの大幅な料金改定が起きる可能性は今後なのかもしれません。


 現時点で、ざっくり、他電力会社の料金も見直してみましたが、消費税改正での変更はありますが、大きな変化はありませんでした。(気になった所では、楽天でんきの基本料金が0円になっています。F-POWERが販売しているピタでんも変化はないようです)

 



電力会社
基本料金60A
~120kW
120~300
300~400
400kW~


東北電力B
1980
18.58円
25.33円
29.28円
29.28円


東北電力よりそう+ファミリーバリュー
1980
22.76円


27.71円


はなカメくん電気
786.54
23.61円





ピタでん(使った分だけ)
0
25.71円





楽天でんき(ポイント割引1.3円/kW)
1944円⇒0円
26.50円





looopでんき
0
26.4円





おうちでんき(110円/月/スマホ1台)
1980
18.39円
25.07円
28.98円
28.98円






 ただし、キャンペーン料金は減っている印象があります。

 "おうちでんき"が、3か月⇒1か月に無料期間を減らしていることや、"楽天でんき"がSPU0.5%分(月に1万買えば500円割引だった)を止めていることなどが目に見えやすい変化でしょう。

  比較サイトも例外ではなく、価格COMで、"はなカメくん"を現在の契約として比較してみると、昨年までであれば、1年目の最安電力会社が割高になることはまずなかったのですが、今年はでてきません。ちなみに"はなカメくん"は、価格COMで知ったのですが、現在は比較に出てこないのは、宣伝費を減らしているのかもしれないと思います。

 最も安い"親指でんき"(26.4円定額。基本料金0円)でも年間1.5万円程割高。"おうちでんき"だと年間3万ほど割高です。1-3月の電気料金は月3万/円程ですから、現在の1か月無料キャンペーンでは1年目であっても格安になりません。




 ちなみに、燃料費調整額と再エネ賦課金を見ていくと、1月は1300kWhで950円、3月960kWhで2800円、昨年同時期はマイナス4000円程と非常に変化しています。コロナ時期には減った調整額が、原油高で上昇傾向となり、ウクライナ情勢で一気に跳ね上がっているのだろうと推察されます。再エネ賦課金は2020年に既に3000円程度で、今年は4000円台ですので、予定通りの上がり方。(これは、以前のまとめでも書いたように、電力会社を変更したとしても変化がないので、比較しようがないのです。)



  このくらいの変化でなんとか平和を取り戻してほしいと思うこのごろです。(再エネは根本的にに考えなくてはならないかとおもっています。ペロブスカイト太陽電池待ち^^)


 次記事「新電力供給停止!FPS撤退で”はなカメくん電気・ピタでん”が・・。再検討の結果、なんと東北電力にもどることに。思った以上に燃料費調整額の影響が><